怪しい神様
書 名 : 怪しい神様
サブタイトル: 短いけれど、深いお話。
行間をどう読むかは、あなた次第。
想像力を育む脳トレ・ショート234編
カテゴリー : 文芸/ショートショートストーリー
著 者 : 田中 せいや
定 価 : 800円(本体762円+消費税)
発 行 元 : JPS出版局
発 売 元 : 太陽出版
造 本 : 新書判/並製(ソフトカバー)
本文ページ数: 314頁
発 売 日 : 2008/06
ISBN978-4-88469-549-1
内容紹介
目 次
第一章 ふれあいの扉
第二章 不条理の扉
第三章 恋愛模様の扉
第四章 さりげない扉
第五章 現代教育の扉
第六章 人間模様の扉
第七章 うがったくんの扉
第八章 季節の扉
第九章 極楽の扉
著者の横顔(著者略歴)
イントロダクション
プロローグ〜森林で
雑木林を歩いていた。切り開かれた場所に出ると、白いバンガローがあった。パラソルつきの野外用テーブルセットに男がすわっている。アロハシャツに短パン、ビーチサンダルといったラフなかっこうだ。
「やあ、待ってたよ」男はテーブル上のノートパソコンをガチャゴチョ操作しながら、ちらっと上目遣いでこちらをみた。四十歳くらいか。
「よくきたね」手は休めない。「まあ、すわってくれよ」促されるまま前にすわる。
「わたしは神だ。日本担当のな」
「ぶっ!」こいつ、頭がへんなのか? ここはサナトリウムか? 男は、またちらっとこちらをみてから、ガチャゴチョさせるスピードを上げた。
「きみの足もとだけ震度四を二秒。ENTER! ペチっとな」
「うわああ……」いすが激しく揺れ、すぐ止んだ。
「くしゃみ3発、ギャグ2発。ENTER! ペチっとな」
「ハァ〜ックション! ハァ〜ックション! ハァ〜ックション!」
なんてことだ。したくもないくしゃみが3発も出た。そして、
「コマネチッ! ガチョ〜〜〜〜ン!」
「どうだい。納得したかい?」
オレはあっけにとられ、ガチョ〜〜〜ンのポーズのまま固まった。そして伸ばした指先とそのむこうの男の顔を交互にみた。
「つまり、日本内の全ての出来事は、このわたしがつかさどっているのだ」
男は絶えずパソコンを操作している。あっ、男の顔が歪んだ。笑っている。不適な笑いだ。
「であるから、きみを生かすも殺すも、わたし次第だ。アッハッハ」
オレは危険を感じ、とっさに男に飛び掛ろうとした。ダ、ダメだ。体が動かない。うううぅぅぅ、くそっ、声も出せない。
「まあ、そうあわてるな。なにもキミを殺そうなんて思っちゃいない。いいかい。キミは次に気がつくと自宅の書斎にいて、きょうの出来事を本にすべくパソコンにむかっている。そして、その本を読んだ人々は、その後、ハッピーな人生を送るって筋書きだよ。どうだい。痛快だろ。アッハッハッハッハッハッハ……」
編集者より一言
推薦の言葉(高石左京)
最初に彼のブログ(ハンドルネーム:せいやんせいやん)に出会ってから、既に5年近くなる。そして現在に至るまで、日々彼のブログにはショートショートが書き込まれている。そしてこの本が、著者「田中せいや」の名前で出した3冊目の本となった。これまでの3冊分を合わせると収録されたショートショートだけでも凄まじい数になる。
どんな時でもメモ帳を手放さないのが田中さんだ。それこそトイレに行く時も、私と呑んでいる時も、片ときもメモ帳を手放さない。無口な彼は、いつも静かに周りの会話を聞いている。そしてメモ帳に何かを書きつけている。
そんな彼が、私と会った最初の時に、「本を出したいんです。3冊出すつもりです」とポツリとつぶやいた。「えーっ、最初から3冊出すつもりなの」と、私は半信半疑だった。その後、黙々とブログに書き続け、黙々と本の原稿にまとめ上げ、3年連続で私のところへ原稿が持ち込んできた。「男は黙ってサッポロビール」ではないが、ここまで書き続けられるモチベーションの高さは敬服に値する。
さーて、これで3点が揃った。次に彼が何を持ちかけてくるかが楽しみだ。

